本日の目標
・岡野の化学(52)途中から(分液操作関係の表現を特許庁DBで確認)
・動画視聴
4118_アミンの塩基性と立体障害
実績
・岡野の化学(52)(分液操作関係の表現を特許庁DBで確認)
・動画視聴
4118_アミンの塩基性と立体障害
学んだこと
ビデオセミナー4118でのご指導をありがとうございます。
一昨日のブログで、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンの沸点の違いについてわからない点がある旨を記載しました。
まず、前提はこちらです。
同じ分子量を持つアミンを比較すると、水素結合ができる割合の多さで、
第一級アミン>第二級アミン>第三級アミン の順で沸点が高くなる。
抱いた疑問は、なぜ以下のように沸点の高さが変わるのだろう(第二級アミン>第三級アミン>第一級アミンの順)ということでした。
メチルアミン(第一級アミン) CH₃NH₂ 沸点(bp) -6.3℃
ジメチルアミン(第二級アミン) (CH₃)₂NH 沸点(bp) 7.4℃
トリメチルアミン(第三級アミン) (CH₃)₃N 沸点(bp) 2.9℃
よくよく考えると、前提のところの「同じ分子量を持つアミンを比較すると」という一文を考慮せずに、分子量の異なる化合物同士を比較していたことに気づきました。立てた問いそのものが頓珍漢でした。
改めて、沸点の高さが、高い方から第一級アミン、第二級アミン、第三級アミンとなる理由を整理してみたいと思います。
・物質の沸点と関連するのは、個々の分子間に働いている力の強さ。
・分子どうしが強い力で引き合っていれば、引き離すのに大きなエネルギーが必要となる。
・ある一つの分子が、液体の状態から気体になって飛び出そうとするとき、別の分子との引き合いが強いとなかなか飛び出せない。飛び出すときには大きなエネルギーが必要となる=沸点が高くなる。
・アミンは電気陰性度の高い窒素原子を含むため、分極する。分極した窒素は別の分子の水素と水素結合する。
・分子内に水素をもつ第一級アミン、第二級アミンは、同じ分子どうしで水素結合する。第一級アミンの方が、第二級アミンよりも水素結合(N-H)を作れる数が多いため、沸点が高くなる。
・第三級アミンは窒素に水素が結合していないので、同じ分子どうしで水素結合を作ることができない。そのため、第一級アミン、第二級アミンと比較すると沸点が低くなる。
なお、ビデオセミナーでは、アミンの沸点よりもむしろ塩基性に注目するようご指導いただきました。
・アミンに電子供与性のアルキル基がついている場合、アミンの窒素上のローンペアを前に押し出す力が強くなる。アルキル基の炭素数が多くなれば、電子供与性も大きくなる。
・ただしアミンに、炭素数が多くかつ枝分かれしているようなかさ高いアルキル基が多く置換している場合は、そのかさ高いアルキル基が窒素のローンペアの電子雲をブロックしてしまう。結果、窒素のローンペアのプロトンに対する影響力が弱まり、塩基性が低下する(立体障害)。

・アミンがベンゼン環に結合している場合、ベンゼン環が窒素のローンペアを非局在化することで、ローンペアのプロトンに対する影響力が弱まり、塩基性が低下する。

さらにビデオセミナーでは、メディカル分野に進む場合、どのように学習の螺旋階段を上っていくかについても教えていただきました。購入すべき本の選定方法を教えていただき、ありがとうございました。
明日(3/29)の予定
・岡野の化学(53)~